「それ、自画自賛じゃない?」
そんなふうに、ちょっと自慢げな人をやんわりツッコむときに使うこの言葉。
なんとなく“うぬぼれ”や“自己満足”のニュアンスがあるように感じている方も多いのではないでしょうか。
でも実は――
「自画自賛」は本来、まったく別の意味を持っていたって、ご存じですか?
この記事では、「自画自賛」という言葉の語源や歴史をたどりながら、現代のイメージとのギャップや、そこに隠された文化的な背景についてご紹介します。
知っているようで知らなかった、言葉の“ルーツ”の物語。
読み終えたときには、あなたの中の「自画自賛」のイメージがちょっと変わっているかもしれませんよ。
本来の意味とちょっと意外な語源

「また自画自賛して〜」なんて、ちょっと自慢げな人をからかうようなときに使うこと、ありますよね?
現代では「自分で自分をほめる=うぬぼれ」という意味で使われがちなこの言葉。
でも実は、「自画自賛」にはもっと奥深い由来があるんです。
「自画自賛」のルーツは芸術の世界にあった!

「自画自賛」は、漢字をそのまま見ると「自分で描いた絵を、自分で賛(ほ)める」。
でもこの“賛”という字、単に褒めるというより、もともとは詩や言葉を添えることを指します。
書画や水墨画の世界では、作者自身が作品に詩や言葉を添えるのがひとつの文化でした。
たとえば室町時代の禅僧・雪舟や、江戸時代の文人画家たちが、自作に自ら賛を加えたこともよく知られています。
つまり「自画自賛」とは――
自分の絵に、自分の言葉で思いを込める。
そんな、芸術家としての自負と表現の一体感を表す言葉だったんです。
なぜ「うぬぼれ」っぽい意味に変わった?

とはいえ、現代の日本語では「自画自賛」はちょっと鼻につく自己アピール、という印象が強いですよね。
これは、「自分で自分をほめるなんてちょっと図々しい」という価値観が広まった結果、元々の意味からズレて、揶揄や皮肉として使われるようになったためです。
特に日本では「謙遜」が美徳とされる文化があるため、自己表現が過剰に見られがちなんですね。
本来は“自信”の言葉だった
「自画自賛」は、決して“うぬぼれ”や“自己満足”を意味するものではありませんでした。
むしろ、自分の作品に誇りを持ち、思いを込めて表現するという、創作へのまっすぐな姿勢を表す言葉だったんです。
そう考えると、ちょっと見方が変わってきませんか?
「自画自賛」という言葉には、
もともと“自分の作品に誇りを持ち、最後まで自らの手で仕上げる”という、
創作へのまっすぐな姿勢と美意識が込められていました。
現代では「うぬぼれ」や「自己満足」といったネガティブな意味で使われることが多いものの、
本来は謙虚な自信や自己表現の自由さを表す言葉でもあったのです。
言葉の使われ方は時代とともに変わるもの。
でもその背景を知ることで、ちょっとした気づきや、
言葉へのまなざしが優しくなるかもしれません。
次に誰かが「自画自賛」しているのを見かけたとき、
ちょっとだけ、その人の“こだわり”や“誇り”に想いを寄せてみてもいいかもしれませんね。



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